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【公務員】標準報酬月額を年の途中で下げる方法|共済掛金の決まり方・定時決定・随時改定を給与担当が図解

ダッチ

「共済掛金(社会保険料)って、どうやって決まっているの?」「一度決まったら、1年間ずっと同じ?」と思ったことはありませんか。

今回は、9月号の給与明細公開で予告していた「標準報酬月額を下げる方法」の回です。共済掛金は、毎月の総支給額ではなく「標準報酬月額」という”仮の月給”に掛金率を掛けて決まります。標準報酬月額は基本的に定時決定で1年分が決まりますが、随時改定というルールによって、年の途中で変わることがあります。

そして、下がる方向の随時改定を起こすカギは「固定的給与を下げる」こと。この記事では、私が加入している共済組合の資料(令和8年度)をもとに、仕組みから具体的なやり方、見落としがちなデメリットまで、図を使って給与担当の目線で解説します。

※掛金率や細かな運用は、共済組合・自治体によって異なる場合があります。実際に判断する前に、職場の給与担当や共済組合で確認してください。

【結論】この記事のポイント

標準報酬月額は、年の途中でも下がることがある① 共済掛金は標準報酬月額 × 掛金率。標準報酬月額380,000円なら掛金は月56,350円② 標準報酬月額は、基本は定時決定(4〜6月に支給された報酬の平均)で決まり、9月〜翌年8月まで使われる③ 固定的給与が変わり、その後3か月の報酬の平均で2等級以上の差が出ると、4か月目から随時改定される④ ただし固定的給与と報酬平均の「矢印の向き」が同じときだけ。下げたいなら固定的給与を下げるのが入口⑤ 現実的に動かせるのは通勤手当。ただし育休・産休を控えた人は下げない方がいい

1. 共済掛金(社会保険料)の決まり方

共済掛金は、給与明細の総支給額にそのまま率を掛けて計算しているわけではありません。まず、組合員が受ける報酬をいくつかの等級に区分した「仮の報酬」=標準報酬月額に当てはめ、それに掛金率を掛けて計算します。実際の報酬で毎月計算すると事務が煩雑になるため、この仕組みになっています。

標準報酬月額は、掛金の計算だけでなく、傷病手当金などの給付額や厚生年金・退職等年金の額の計算にも使われます。ここが後半の「デメリット」につながるので、頭の片隅に置いておいてください。

報酬給料・扶養手当・地域手当・通勤手当・残業代など▼報酬月額決められた3か月などの報酬の平均▼標準報酬等級表に当てはめる▼標準報酬月額掛金や給付・年金の計算に使う”仮の月給”▼ × 掛金率毎月の共済掛金組合員と自治体でおおむね折半して負担

図1:共済掛金が決まるまでの流れ

私の共済組合の令和8年度の掛金率(組合員の負担分)と、標準報酬月額が380,000円のときの掛金は次のとおりです。9月号の給与明細の控除額と1円単位で一致します。

掛金の種類 率(組合員負担) 380,000円のとき
厚生年金保険料 9.15%(18.3%の半分) 34,770円
短期掛金(医療など) 4.65% 17,670円
退職等年金掛金 0.75% 2,850円
保健(福祉)掛金 0.164% 623円
子ども・子育て支援掛金 0.115% 437円
合計 14.829% 56,350円

※40歳以上65歳未満の人は、これに介護掛金(0.795%)が加わります。※厚生年金保険料率18.3%は全国共通ですが、短期掛金などの率は共済組合ごとに異なります。※期末・勤勉手当(ボーナス)の掛金は、標準報酬月額ではなく実際の支給額をもとに計算します。

2. 標準報酬月額とは|等級表で決まる”仮の月給”

標準報酬月額は、報酬月額を標準報酬等級表に当てはめて決まります。報酬月額がある範囲に入っていれば、標準報酬月額はその等級の金額になります。私の標準報酬月額380,000円は、報酬月額370,000円以上395,000円未満の等級です。

30万29万〜32万31万〜2段下34万33万〜1段下36万35万〜今の私38万37万〜41万39.5万〜棒の中:標準報酬月額/棒の下:その等級になる報酬月額(〜以上)

図2:標準報酬等級表の”階段”(300,000円〜410,000円付近)

標準報酬月額 報酬月額の範囲
300,000円 290,000円以上 310,000円未満
320,000円 310,000円以上 330,000円未満
340,000円 330,000円以上 350,000円未満
360,000円 350,000円以上 370,000円未満
380,000円 370,000円以上 395,000円未満
410,000円 395,000円以上 425,000円未満

この付近では、1段(1等級)がおおむね2万円刻みです。後で出てくる随時改定では、この階段を2段以上またぐかどうかがポイントになります。等級表の全体(第1〜50等級)は、標準報酬月額と共済掛金の解説記事にまとめています。

※等級表は、短期給付・福祉事業用(第1〜50等級)と、厚生年金・退職等年金用(第1〜32等級)の2種類があり、等級の番号は異なりますが、この付近の金額の区切りは同じです。

「報酬」に入るもの・入らないもの

区分 主なもの
報酬に入る 給料、扶養手当、地域手当、住居手当、通勤手当、時間外勤務手当(残業代)など、労務の対価として受ける給料・手当のほぼすべて
報酬に入らない 期末・勤勉手当(ボーナス)、児童手当、退職手当、出張旅費など実費弁償的なもの、選挙の報酬など

8月号で「選挙手当が入っても共済掛金は変わらない」と書いたのは、選挙の報酬が標準報酬月額の計算に入らないからです。

3. 定時決定|4〜6月の報酬で1年分が決まる

標準報酬月額が決まる(変わる)タイミングは、次の5つです。

タイミング 内容
① 資格取得時決定 採用されたとき
② 定時決定 毎年9月(基本はこれ)
③ 随時改定 固定的給与が変わり、報酬が大きく変動したとき(今回の主役)
④ 産前産後休業終了時改定 産休から復帰して報酬が下がったとき(本人の申出)
⑤ 育児休業等終了時改定 育休から復帰して報酬が下がったとき(本人の申出)

基本となるのが定時決定です。毎年7月1日時点の組合員について、4月・5月・6月に受けた報酬の総額を3で割った額を報酬月額として等級表に当てはめ、その年の9月から翌年8月までの標準報酬月額を決めます。

4月支給固定的給与+残業代など5月支給固定的給与+残業代など6月支給固定的給与+残業代など▼ 3か月の平均を等級表に当てはめる9月〜翌年8月の1年間この標準報酬月額で、毎月の掛金が決まる(7月に所属所が届出)

図3:定時決定のしくみ

※支払基礎日数(報酬の支払いの基礎となった日数)が17日未満の月は、除いて平均します。

給与担当の注目ポイント:残業代は「支給された月」で数える

共済組合の資料には、定時決定の注意点として、時間外勤務手当は「働いた月」ではなく「支給された月」で計算することが示されています。残業代が翌月払いの職場なら、定時決定に入るのは3月・4月・5月に働いた残業です。

3月に
働いた残業
→4月に
支給
→✅ 定時決定に
入る
5月に
働いた残業
→6月に
支給
→✅ 定時決定に
入る
6月に
働いた残業
→7月に
支給
→❌ 定時決定に
入らない

図4:残業代が翌月払いの場合、定時決定に入る残業

現役給与担当ダッチ

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私の9月の明細で、残業代を除いた報酬は327,522円でした。等級表に当てはめると320,000円の等級で、定時決定で決まった380,000円より3等級も下です。定時決定は残業代込みの4〜6月(支給分)で決まるので、残業の少ない月の給与とはこれだけズレることがあります。

例年4〜6月だけ忙しい職場は「年間平均」で決める方法も

業務の性質上、毎年4〜6月に残業が集中し、その3か月で計算すると、過去1年間(前年7月〜当年6月)の月平均で計算した場合より2等級以上高くなる――という場合は、申立てなどにより過去1年間の月平均で算定する方法(保険者算定)もあります。心当たりがあれば、まず職場の給与担当に相談してみてください。

4. 随時改定|年の途中で標準報酬月額が変わる条件

標準報酬月額は、原則として次の定時決定まで変わりません。ただ、昇給などで報酬が大きく変わると実態とズレてしまうため、次の条件をすべて満たしたときは、年の途中でも標準報酬月額が改定されます。これが随時改定です。

1固定的給与が変動した昇給・降給、扶養手当や通勤手当の増減など。残業代(非固定的給与)だけの増減は対象外2変動月から3か月とも、支払基礎日数が17日以上1か月でも17日未満の月があると、随時改定にならない33か月の報酬の平均で出した等級が、今の等級と2等級以上違うしかも、固定的給与の増減と同じ向きであること(次の章で解説)

図5:随時改定の3つの条件(すべて満たしたときに改定)

1か月目変動月2か月目3か月目→4か月目ここから改定この3か月に支給された報酬の平均で判定

図6:随時改定のタイムライン

改定された月 新しい標準報酬月額が使われる期間
1月〜6月 その年の8月まで(または次の随時改定まで)
7月〜12月 翌年の8月まで(または次の随時改定まで)

随時改定は、本人が申請するものではありません。条件を満たせば、所属所(給与担当)が共済組合に届け出て改定されます。なお、7月〜9月のいずれかの月から随時改定される人は、その年の定時決定の対象から外れます。

5. いちばん大事なのは「矢印の向き」

随時改定には、見落とされがちな条件があります。共済組合の資料でも、次の点が強調されています。

変動の原因である「固定的給与」と、変動の結果である「3か月の報酬の平均」。この2つの矢印が同じ向きのときだけ、随時改定が行われます。

つまり、固定的給与が上がって3か月平均も上がったときは標準報酬月額が上がり、固定的給与が下がって3か月平均も下がったときは標準報酬月額が下がります。向きが食い違うときは、たとえ2等級以上の差が出ても改定されません。

固定的給与↑3か月平均↑✅ 上がる改定昇給などで報酬が増えた固定的給与↑3か月平均↓❌ 改定されない昇給したが残業が減って平均は下がったここを狙う固定的給与↓3か月平均↓✅ 下がる改定固定的給与が下がり、平均も下がった固定的給与↓3か月平均↑❌ 改定されない固定的給与は下がったが、残業が増えて平均は上がった

図7:随時改定になるのは「矢印が同じ向き」のときだけ(いずれも2等級以上の差がある場合)

ここから分かるのは、標準報酬月額を年の途中で下げる入口は「固定的給与が下がること」しかないということです。どれだけ残業を減らしても、固定的給与が変わらなければ(または上がっていれば)随時改定は起きません。

逆に言えば、固定的給与が下がりさえすれば、下がった額が小さくても、その後3か月の報酬(残業代も含む)の平均しだいで、下がる方向の随時改定が起こり得ます。

⚠️ 同じ月に複数の固定的給与が増減したら「差し引き」で判断共済組合の資料では、複数の固定的給与の増減が同時に起きた場合、増額分と減額分を差し引きした結果で矢印の向きを判断するとされています。たとえば通勤手当が下がった月に昇給が重なり、差し引きでプラスになると、矢印は上向きになってしまいます。3か月の間に昇給月(自治体によって1月や4月など)が入らないようにするのも大事です。

6. 固定的給与とは?自分で下げられるのはどれ?

固定的給与とは、勤務実績に直接関係なく、月などを単位として一定額が継続して支給される報酬のこと。反対に、勤務の実績に応じて変動する報酬が非固定的給与です。共済組合の資料では、次のように例示されています。

区分 主なもの
固定的給与 給料(給料表の給料月額)、扶養手当、地域手当、住居手当、初任給調整手当、通勤手当、単身赴任手当、特地勤務手当・へき地手当(これらに準ずる手当を含む)、管理職手当、義務教育等教員特別手当 など
非固定的給与 時間外勤務手当(残業代)、特殊勤務手当、宿日直手当、管理職員特別勤務手当、夜間勤務手当、休日勤務手当、寒冷地手当 など

※どちらに区分するかは、各自治体の給与条例に基づく支給の実態を見て、所属所が個別に判断します。上の表はあくまで例示です。

では、この中で「自分の生活を変えることで下がる」ものはどれでしょうか。

固定的給与 自分で下げられる? 理由
給料・地域手当 ✕ 給料表と昇給で決まり、地域手当は給料に連動する
扶養手当 △ 扶養親族が減れば下がるが、狙って動かすものではない
住居手当 △ 家賃の安い住まいへの転居などで下がる
通勤手当 ◯ 通勤方法や経路の変更で下がることがある

なお、子どもが扶養から外れて扶養手当が減った月なども、下がる方向の随時改定の「きっかけ」になります。その後3か月の平均で2等級以上下がれば、自動的に改定されます。

7. 狙い目は通勤手当|車から自転車に変えると固定的給与が下がる

日々の生活の中で現実的に動かせる固定的給与は、通勤手当だと思います。たとえば、車で通勤している人が自転車通勤に切り替える場合です。

🚗自動車通勤(これまで)通勤手当(距離の分)あり駐車場代あり固定的給与に含まれる🚲自転車通勤(これから)通勤手当(距離の分)あり駐車場代0円固定的給与が下がる ↓

図8:通勤方法を変えると、固定的給与(通勤手当)が下がることがある

下がり方には、2つのパターンがあります。

パターン どうなる?
① 自転車の通勤手当が自動車より低い自治体 通勤手当そのものが下がる
② 自動車と自転車の通勤手当が同じ自治体 駐車場代が支給されている場合は、自転車に変えると駐車場代がなくなり、固定的給与が下がる

通勤手当の変更で注意したいのは、次の点です。

  • 新しい額の通勤手当が支給された月が「変動月(1か月目)」になります。通勤手当の額が変わるのは、原則として通勤方法が変わった日(事実が生じた日)の翌月分からですが、その日が月の初日なら、その月から変わります(細かい扱いは給与条例によります)。
  • 6か月分などをまとめて支給される通勤手当は、1か月あたりに割って計算します。
  • 病気休暇などで通勤しなかったために一時的に通勤手当が出ない月は、手当そのものが変わったわけではないので、固定的給与の変動にはなりません。
  • 通勤方法の変更は実態どおりに届け出るのが大前提です。届け出だけ変えて実際は車で通う、というのは不正受給で、懲戒処分の対象にもなり得ます。
現役給与担当ダッチ

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通勤手当は、通勤にかかる費用を埋め合わせる性格の手当です。駐車場代の支給がなくなっても、自分で駐車場代を払う必要もなくなるので、収入の面ではほぼ差し引きゼロ。実際に”浮く”のは、標準報酬月額が下がったことによる掛金の差額だと考えるのが正確です。

8. 実践の流れ|モデルケースで試算

固定的給与を下げたら、次は変動月から3か月の報酬の平均です。この平均が、今の標準報酬月額より2等級以上低い等級になれば、4か月目から標準報酬月額が下がります。

モデルケース:9月に自転車通勤に変えた場合

9月自転車通勤に変更し、通勤届を提出(駐車場代の支給がなくなる)10月支給通勤手当が下がる=変動月(1か月目)11月支給2か月目12月支給3か月目(12月のボーナスは報酬に入らないので影響なし)1月4か月目:標準報酬月額が改定1月〜8月下がった標準報酬月額で掛金を計算(1月の改定なので、その年の8月まで)9月定時決定で、改めて標準報酬月額が決まる

図9:モデルケースのスケジュール

※通勤手当は、原則として事実が生じた日の翌月分から額が変わるため、この例では10月支給を変動月としています。ただし、事実が生じた日が月の初日(この例なら9月1日)で通勤届を出した場合は、その月(9月)から通勤手当が変わります。その場合は9月支給が変動月(1か月目)になり、判定の3か月は9〜11月支給、改定は12月からです(12月の改定なので、翌年8月まで使われます)。

残業代が翌月払いの職場なら、10〜12月に支給される残業代は、9〜11月に働いた残業です。また、この例なら、1月に昇給がある自治体でも、判定の3か月(10〜12月支給)に昇給が入りません。

モデルケースの金額は次のとおりです(金額は説明用の例です)。

4〜6月(繁忙期) 10〜12月支給(閑散期)
給料・扶養手当・地域手当 324,000円 324,000円
通勤手当 8,000円
(うち駐車場代5,000円)
3,000円
固定的給与 332,000円 327,000円(↓5,000円)
時間外勤務手当等 月45,000円ほど 12,000円/6,000円/9,000円
非固定的給与 月45,000円ほど 12,000円/6,000円/9,000円
→ 平均9,000円
総支給額 平均377,000円 339,000円/333,000円/336,000円
→ 平均336,000円
標準報酬月額 380,000円 340,000円(2等級下)

固定的給与は5,000円しか下がっていませんが、閑散期で残業が少なかったことで3か月の平均が2等級下の範囲(330,000円以上350,000円未満)に入り、しかも固定的給与も平均も「下向き」なので、随時改定の条件を満たします。

掛金はどれくらい下がる?

標準報酬月額 380,000円月56,350円基準340,000円(2等級下)月50,418円月5,932円減 / 8か月で47,456円減320,000円(3等級下)月47,452円月8,898円減 / 8か月で71,184円減

図10:標準報酬月額ごとの毎月の掛金(組合員負担・40歳未満)

※40歳以上65歳未満は介護掛金も下がるため、差は月6,250円(2等級下)・月9,375円(3等級下)になります。※社会保険料控除が減る分、所得税・住民税は少し増えるので、手取りの増え方は掛金の減少額より少し小さくなります。

⚠️ 残業は「減らす」ものではなく「時期を選ぶ」もの残業(時間外勤務)は、所属長の命令に基づいて行うものです。自分の都合で増やしたり減らしたりするものではなく、必要な業務を先送りしてまで残業を減らすのは、職務専念義務の面からも問題になり得ます。お金の面でも、残業代が減る分は収入減です。モデルケースでは残業代が月45,000円ほどから平均9,000円に減っていますが、もし必要な残業を無理に減らしたのなら、3か月で10万円以上の収入減になり、掛金の節約(8か月で約4.7万円)より大きくなってしまいます。現実的なのは、もともと残業が少ない閑散期に、通勤方法を見直すタイミングを合わせること。4〜6月(支給分)が繁忙期で標準報酬月額が高めに決まった人ほど、閑散期との差が大きく、結果として下がりやすくなります。

9. 下げる前に知っておきたいデメリット

標準報酬月額は、掛金だけでなく、給付や年金の計算にも使われます。下げると、次のものも下がります。

下がるもの 計算の土台 380,000円→340,000円の影響(例)
育児休業手当金 標準報酬月額 ÷ 22 × 67%
(181日目以降は50%)
1日あたり約1,200円減
最初の180日で約22万円減
傷病手当金・出産手当金 直近1年間の標準報酬月額の平均 ÷ 22 × 2/3 下げた月が多いほど減る
老齢厚生年金(報酬比例部分) 在職中の標準報酬月額(とボーナス)の平均 8か月下げると
年約1,750円減(65歳から毎年)
退職等年金給付 標準報酬月額などをもとに計算 少し減る

※育児休業手当金は私の共済組合の資料にある計算方法、老齢厚生年金は報酬比例部分の給付乗率(1000分の5.481)で試算した概算です。

🍼 産休・育休を控えている人は、下げない方がいい特に注意したいのが、これから産休・育休を取る予定がある人です。標準報酬月額が下がった期間に育休に入ると、育児休業手当金が大きく減ります。モデルケースでは、掛金の節約は8か月で約4.7万円なのに、育児休業手当金は最初の180日だけで約22万円減る計算です。
現役給与担当ダッチ

ダッチ
給与担当としては、近いうちに育休を取る予定がある人ほど、標準報酬月額は”高めのまま”にしておくことをおすすめします。目先の掛金より、休業中の給付の方がずっと大きいからです。

10. 育児中の人は「育児休業等終了時改定」と「養育特例」も

育休から復帰して、育児短時間勤務などで給与が下がった人には、使いやすい別のルートがあります。

制度 内容
育児休業等終了時改定 育休を終えた日に3歳未満の子を養育している人は、本人の申出により、復帰後3か月の報酬の平均で1等級差でも標準報酬月額を改定できる(固定的給与の変動は不要)
養育特例 3歳未満の子を養育している間に標準報酬月額が下がった場合、申出をすれば、年金の計算では子を養育し始めた月の前月の標準報酬月額とみなされる。掛金は下がっても、将来の年金は減らない

ただし、養育特例で守られるのは年金の計算だけです。育児休業手当金や傷病手当金は、下がった標準報酬月額で計算される点に注意してください。

11. よくある質問

Q. 随時改定は、自分で申請するものですか?

A. 申請するものではありません。条件を満たせば、所属所(給与担当)が共済組合に届け出て、必ず改定されます。本人の申出が必要なのは、産前産後休業終了時改定と育児休業等終了時改定です。

Q. 残業を減らすだけで、標準報酬月額は下がりますか?

A. 随時改定では下がりません。残業代などの非固定的給与だけの増減は、随時改定の対象外です。ただし、4〜6月に支給される残業代が減れば、次の定時決定(9月)で下がることはあります。

Q. ボーナス(期末・勤勉手当)の掛金も下がりますか?

A. 下がりません。ボーナスの掛金は、標準報酬月額ではなく、実際の支給額(1,000円未満切り捨て)をもとに計算します。

Q. 固定的給与は、どのくらい下がれば対象になりますか?

A. 下がる額の下限はありません。判定の決め手は、変動月から3か月の報酬(残業代なども含む)の平均で、今の等級と2等級以上の差が出るかどうか、そして固定的給与と同じ「下向き」かどうかです。

Q. 3か月の途中で病気休暇を取ったら、どうなりますか?

A. 支払基礎日数が17日未満の月が1か月でもあると、随時改定になりません。定時決定と違い、その月を除いて平均することもできません。

12. まとめ

標準報酬月額を下げる方法のポイント・共済掛金は標準報酬月額 × 掛金率(380,000円なら月56,350円)・標準報酬月額は定時決定(4〜6月に支給された報酬の平均)で決まり、9月〜翌年8月まで使われる・年の途中で変わるのは随時改定。「固定的給与の変動」「3か月とも支払基礎日数17日以上」「2等級以上の差」がそろったとき・固定的給与と3か月平均の「矢印の向き」が同じときだけ改定。下げる入口は固定的給与を下げること・現実的なのは通勤手当(車から自転車、駐車場代がなくなる など)。閑散期に合わせる・育休・産休を控えた人は下げない。育児中なら育児休業等終了時改定と養育特例を

標準報酬月額は、知らないうちに1年間の手取りを左右している数字です。通勤方法を見直すタイミングがあれば、この仕組みを思い出してみてください。実際に手続きや判断をする前には、必ず職場の給与担当や共済組合に確認しましょう。

参考資料:私が加入している共済組合の組合員・所属所向けの資料(令和8年度版)。掛金率・等級表・給付の計算方法は同資料によります。制度の根拠は地方公務員等共済組合法(e-Gov法令検索)で、標準報酬は第43条に定められています。

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市役所15年勤務のうち給与厚生担当を5年経験。リベ大で日々マネーリテラシーを研鑽しています。現役の地方公務員・国家公務員、これから公務員を目指す皆さんに、お金・キャリア・制度に関する正しい情報をお届けすることをモットーにしています。
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