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【2026年度】公務員の社会保険料・共済掛金はこう決まる|標準報酬月額・定時決定・随時改定を給与担当が図解で完全解説

公務員の標準報酬月額・共済掛金の決まり方|社会保険料の図解解説
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給与明細を見て「共済掛金(共済組合の社会保険料)ってどうやって決まってるの?」と思ったことはありませんか?
公務員の社会保険料は、毎月の給料から自動で天引きされる「共済掛金」という形で徴収され、その金額は「標準報酬月額」を基に計算されています。
この記事では、市役所の給与担当として5年間にわたって標準報酬月額の決定・改定事務を処理してきた実務経験をもとに共済掛金の決まり方を図解で完全解説します。

📘 この記事でわかること

  • 共済組合の社会保険料の全体像
  • 標準報酬月額のしくみと等級表の見方
  • 4月〜6月の平均給与で決まる定時決定のしくみ
  • 固定的給与の変動で発動する随時改定のしくみ
  • 令和8年度の共済掛金率(短期・長期・介護等)
  • 給与担当だから知っている共済掛金を抑える知識
  • 産前産後・育児休業中の掛金免除
Contents
  1. 1. 公務員の社会保険料は「共済掛金」として徴収される
  2. 2. 標準報酬月額とは|社会保険料計算の基礎
  3. 3. 報酬の範囲|固定的給与と非固定的給与
  4. 4. 標準報酬月額の決定タイミング
  5. 5. 定時決定|4月〜6月の平均給与で1年間が決まる
  6. 6. 随時改定|固定的給与が変動したとき
  7. 7. 令和8年度の共済掛金率(一般組合員・短期長期適用者)
  8. 8. 給与担当が知っている|共済掛金を抑えるための知識
  9. 9. よくある質問(FAQ)
  10. 10. まとめ
  11. 関連記事

1. 公務員の社会保険料は「共済掛金」として徴収される

公務員(地方公務員・国家公務員・私学教職員)が加入するのが「共済組合」。大企業の独自健康組合や中小企業が加入する協会けんぽに相当します。
共済組合に納める保険料は組合員(職員本人)が納める「掛金」と所属所(自治体)が納める「負担金」に分かれており、原則として折半(労使折半)で負担します。

分類 名称 主な内容
短期給付 短期掛金 医療給付・傷病手当金・出産育児一時金等の財源
介護保険 介護掛金 40〜64歳の組合員が対象(第2号被保険者)
長期給付 厚生年金保険料・退職等年金掛金 厚生年金(2階)と退職等年金(3階)の財源
子育て支援 子ども・子育て支援掛金 育児休業手当金等の財源
福祉事業 保健掛金 健康診断・保養施設等の財源

2. 標準報酬月額とは|社会保険料計算の基礎

共済掛金は「給料月額×掛金率」ではなく、「標準報酬月額×掛金率」で計算されます。
標準報酬月額とは、給与等の月額をあらかじめ定められた等級に区分した「みなしの月収」のこと。これにより、毎月変動する手当の影響を排除して掛金を安定的に算出できます。

2-1. 標準報酬等級表

標準報酬等級表は、短期給付・福祉事業(50等級)厚生年金・退職等年金(32等級)の2系統で構成されています。同じ報酬月額でも、短期側と厚年側で等級番号が異なる点に注意してください。

短期給付・福祉事業 厚生年金・退職等年金
等級 標準報酬月額 報酬月額の範囲(円以上 〜 円未満) 等級 標準報酬月額
1 58,000円 〜 63,000
2 68,000円 63,000 〜 73,000
3 78,000円 73,000 〜 83,000
4 88,000円 83,000 〜 93,000 1 88,000円
(〜93,000)
5 98,000円 93,000 〜 101,000 2 98,000円
6 104,000円 101,000 〜 107,000 3 104,000円
7 110,000円 107,000 〜 114,000 4 110,000円
8 118,000円 114,000 〜 122,000 5 118,000円
9 126,000円 122,000 〜 130,000 6 126,000円
10 134,000円 130,000 〜 138,000 7 134,000円
11 142,000円 138,000 〜 146,000 8 142,000円
12 150,000円 146,000 〜 155,000 9 150,000円
13 160,000円 155,000 〜 165,000 10 160,000円
14 170,000円 165,000 〜 175,000 11 170,000円
15 180,000円 175,000 〜 185,000 12 180,000円
16 190,000円 185,000 〜 195,000 13 190,000円
17 200,000円 195,000 〜 210,000 14 200,000円
18 220,000円 210,000 〜 230,000 15 220,000円
19 240,000円 230,000 〜 250,000 16 240,000円
20 260,000円 250,000 〜 270,000 17 260,000円
21 280,000円 270,000 〜 290,000 18 280,000円
22 300,000円 290,000 〜 310,000 19 300,000円
23 320,000円 310,000 〜 330,000 20 320,000円
24 340,000円 330,000 〜 350,000 21 340,000円
25 360,000円 350,000 〜 370,000 22 360,000円
26 380,000円 370,000 〜 395,000 23 380,000円
27 410,000円 395,000 〜 425,000 24 410,000円
28 440,000円 425,000 〜 455,000 25 440,000円
29 470,000円 455,000 〜 485,000 26 470,000円
30 500,000円 485,000 〜 515,000 27 500,000円
31 530,000円 515,000 〜 545,000 28 530,000円
32 560,000円 545,000 〜 575,000 29 560,000円
33 590,000円 575,000 〜 605,000 30 590,000円
34 620,000円 605,000 〜 635,000 31 620,000円
35 650,000円 635,000 〜 665,000 32 650,000円
(635,000円〜)
36 680,000円 665,000 〜 695,000
37 710,000円 695,000 〜 730,000
38 750,000円 730,000 〜 770,000
39 790,000円 770,000 〜 810,000
40 830,000円 810,000 〜 855,000
41 880,000円 855,000 〜 905,000
42 930,000円 905,000 〜 955,000
43 980,000円 955,000 〜 1,005,000
44 1,030,000円 1,005,000 〜 1,055,000
45 1,090,000円 1,055,000 〜 1,115,000
46 1,150,000円 1,115,000 〜 1,175,000
47 1,210,000円 1,175,000 〜 1,235,000
48 1,270,000円 1,235,000 〜 1,295,000
49 1,330,000円 1,295,000 〜 1,355,000
50 1,390,000円 1,355,000 〜
📌 表の見方
左半分の橙色(短期給付・福祉事業)は1〜50等級、右半分の緑色(厚生年金・退職等年金)は1〜32等級。中央の「報酬月額の範囲」に自分の報酬月額が当てはまる行を読みます。短期と厚年で等級番号が4ずれている点に注意(短期4等級=厚年1等級)。
💡 ポイント
報酬月額が 240,333円 なら、19等級(230,000〜250,000円)に該当 → 標準報酬月額は 240,000円 に決定。実際の給料が変動しても、掛金は変わりません。

3. 報酬の範囲|固定的給与と非固定的給与

標準報酬月額の算定対象となる「報酬」は、原則として労務の対価として受ける給料・諸手当のすべてです。ただし、賞与(期末・勤勉手当)や臨時の手当は除きます。

3-1. 固定的給与(毎月一定額)

分類 具体例
固定的給与
(標準報酬に算入)
給料(給料表の月額)/扶養手当/地域手当/住居手当/初任給調整手当/通勤手当/単身赴任手当/特地勤務手当/へき地手当/管理職手当/義務教育等教員特別手当 など

3-2. 非固定的給与(勤務実績で変動)

分類 具体例
非固定的給与
(標準報酬に算入)
時間外勤務手当(残業代)/休日勤務手当/夜間勤務手当/宿日直手当/管理職員特別勤務手当/特殊勤務手当(日額・件数支給)/寒冷地手当 など

3-3. 報酬に含まれないもの

  • 期末手当・勤勉手当(賞与)→ 別途「標準期末手当等の額」として別計算
  • 退職手当
  • 児童手当
  • 出張旅費・赴任旅費(実費弁償)
  • 災害派遣手当
📌 重要:通勤手当も標準報酬に含まれる
通勤手当は6か月一括支給される場合、支給額を支給単位月数で除して1か月あたりに割り当ててから報酬に算入します。例:4月に「4〜9月分の通勤手当」60,000円が支給されたら、月10,000円として算定。

4. 標準報酬月額の決定タイミング

標準報酬月額は、以下の3つのタイミングで決定・改定されます。

区分 タイミング 適用期間
① 資格取得時決定 採用日(中途採用含む) 採用月から翌年8月まで
② 定時決定 毎年7月1日(4月・5月・6月の報酬の平均) その年の9月から翌年8月まで
③ 随時改定 固定的給与の変動から3か月後 変動翌々月の翌月から次回改定まで
④ 産休・育休終了時改定 産休・育休復帰後(任意申出) 復帰翌々月の翌月から

5. 定時決定|4月〜6月の平均給与で1年間が決まる

📌 結論
毎年7月1日時点で組合員について、4月・5月・6月の3か月の報酬総額を3で割った平均額を「報酬月額」として標準報酬等級表に当てはめて標準報酬月額を決定します。これがその年の9月から翌年8月まで1年間の掛金計算の基礎になります。
※次に該当する場合は定時決定の対象外となります。
(1)6月1日から7月1日までの間に資格を取得した者
  (2)  7月から9月までのいずれかの月から標準報酬月額が随時改定等される予定の者

5-1. 定時決定のタイムライン(図解)

<定時決定のスケジュール>
4月
算定対象
5月
算定対象
6月
算定対象
7月
旧額継続
8月
旧額継続
9月〜
新額適用

4月・5月・6月の報酬を平均 → 標準報酬月額を再決定 → 9月から翌年8月まで1年間適用

5-2. 計算式

📐 計算式
(4月の報酬 + 5月の報酬 + 6月の報酬)÷ 3 = 報酬月額

標準報酬等級表に当てはめて → 標準報酬月額が決定

5-3. 計算例(一般的なケース)

支払基礎日数 固定的給与 非固定的給与 合計
4月 21日 214,000円 25,000円 239,000円
5月 22日 214,000円 18,000円 232,000円
6月 22日 214,000円 36,000円 250,000円
合計 642,000円 79,000円 721,000円

計算:721,000円 ÷ 3か月 = 240,333円(円未満切捨)

標準報酬月額:240,000円(第19等級)に決定 → その年の9月から翌年8月まで適用

5-4. 算定要件|支払基礎日数17日以上

📌 重要
4月・5月・6月のうち、支払基礎日数が17日以上の月だけを算定対象にします(フルタイム職員の場合)。日数が17日未満の月は除外して、残りの月で平均を取ります。

  • 3か月とも17日以上 → 3か月で平均
  • 2か月のみ17日以上 → その2か月で平均
  • 1か月のみ17日以上 → その1か月の報酬がそのまま報酬月額
  • 3か月とも17日未満 → 従前の標準報酬月額を継続

6. 随時改定|固定的給与が変動したとき

標準報酬月額は、原則として次の定時決定(毎年9月)まで変わりません。ただし、年度の途中で固定的給与に変動があった場合は「随時改定」で標準報酬を改定する場合があります

6-1. 随時改定の3要件

要件 内容
固定的給与の変動 昇給・降給/級の変更/扶養手当・住居手当・地域手当の額の変動/通勤手当の額の変動 など。
時間外勤務手当などの非固定的給与のみの変動では随時改定は行われません
3か月連続17日以上 変動月から継続した3か月間の各月とも、支払基礎日数が17日以上であること。1月でも17日未満があれば随時改定対象外
2等級以上の差 変動月から3か月間の報酬平均額を等級表に当てはめた等級が、従前の等級と2等級以上の差があること

6-2. 随時改定のタイムライン(図解)

<随時改定のスケジュール(例:1月昇給)>
1月
昇給(変動月)
2月
算定2か月目
3月
算定3か月目
4月〜
新額適用

1月に固定的給与が変動 → 1〜3月の報酬平均と従前等級を比較 → 2等級以上の差があれば、変動月の翌々月(4月)から新標準報酬月額を適用

6-3. 重要なルール|変動の方向と平均額の方向が一致しないと適用されない

⚠️ 落とし穴
随時改定は、「固定的給与の変動方向」と「3か月の報酬平均額の変動方向」が同じ場合のみ行われます。

  • 固定的給与↑ かつ 報酬平均↑ ⇒ 随時改定あり(増額改定)
  • 固定的給与↓ かつ 報酬平均↓ ⇒ 随時改定あり(減額改定)
  • 固定的給与↑ だが 残業激減で報酬平均↓ ⇒ 随時改定なし
  • 固定的給与↓ だが 残業急増で報酬平均↑ ⇒ 随時改定なし

7. 令和8年度の共済掛金率(一般組合員・短期長期適用者)

◯◯県市町村職員共済組合の場合(自治体により若干異なります)。

掛金種類 掛金率(千分率) 負担者 本人実質負担
短期掛金 46.5/1000(4.65%) 労使折半 23.25/1000(2.325%)
介護掛金
(40〜64歳のみ)
7.95/1000(0.795%) 労使折半 3.975/1000(0.3975%)
子ども・子育て支援掛金 1.15/1000(0.115%) 労使折半 0.575/1000(0.0575%)
保健掛金 1.64/1000(0.164%) 労使折半 0.82/1000(0.082%)
退職等年金掛金 7.5/1000(0.75%) 労使折半 3.75/1000(0.375%)
厚生年金保険料 183/1000(18.3%) 労使折半 91.5/1000(9.15%)

7-1. 標準報酬月額30万円・40歳未満の本人負担額シミュレーション

掛金 本人負担額(月)
短期掛金 300,000円 × 23.25/1000 = 6,975円
子ども・子育て支援掛金 300,000円 × 0.575/1000 = 172円
保健掛金 300,000円 × 0.82/1000 = 246円
退職等年金掛金 300,000円 × 3.75/1000 = 1,125円
厚生年金保険料 300,000円 × 91.5/1000 = 27,450円
合計 約 35,968円
📌 注意
40歳以上64歳以下の組合員は、これに介護掛金(月約1,193円)が加算されます。

8. 給与担当が知っている|共済掛金を抑えるための知識

📌 はじめに
ここから紹介するのは「脱税」のような違法な方法ではなく、仕組みを理解したうえでの賢い行動です。給与担当として職員の方によく聞かれる質問をベースに整理しました。業務に支障が出るような行動は厳に慎んでください

8-1. 3月〜5月の残業を「意図的に減らす」のは無意味

よく「3〜5月の残業を減らせば社会保険料が下がる」と言われます。これは、時間外勤務手当は翌月支給であるためです。3月に残業した分の手当は4月に支給されます。ここで公務員の場合は注意が必要です。

  • 4〜6月の時間外勤務手当(3〜5月に残業した分)(非固定的給与)は標準報酬月額に算入される
  • しかし残業時間は勤務先からの命令であり、職員の意思で増減できるものではなく
  • 意図的に残業を減らして業務を翌月以降に回すのは職務専念義務違反になり得る

正しい知識として知っておく:3〜5月にたまたま残業が多かった場合、その後の社会保険料が1年間高くなることがあります。逆に、3〜5月が閑散期で残業がない部署の場合、社会保険料は低くなります。

8-2. 通勤手当の支給方法に注意

通勤手当は標準報酬の算定対象です。次の点に注意:

  • 6か月分一括支給を月割した額が報酬月額に算入される
  • 引越し等で通勤経路が変わり通勤手当が増額された場合、固定的給与の変動として随時改定の対象になり得る
  • すなわち、自転車通勤に切り替えるなどで通勤手当が減らし(固定的給与↓)、かつ時間外勤務等を減らす(非固定的給与↓)ことで、現在の等級より2等級以上下げることができれば、随時改定で社会保険料を下げることができる

8-3. 養育期間標準報酬月額特例(3歳未満の子を養育する場合)

💡 給与担当として最も伝えたい知識
3歳未満の子を養育する組合員は、「養育期間標準報酬月額特例」の申出ができます。これは:

  • 育児で時短勤務になり標準報酬月額が下がっても
  • 年金額の計算上は「養育開始月の前月の標準報酬月額」を使用
  • つまり、掛金は実額(低い額)で計算 → 年金額は子育て前の高い額で計算される

申請しないと適用されないため、所属の給与担当に必ず申出書を提出しましょう。

8-4. 産休・育休中は掛金が完全免除

期間 免除される掛金・負担金 年金への影響
産前産後休業中 本人・所属所負担分すべて 納付した扱い(年金額に影響なし)
育児休業中 本人・所属所負担分すべて(最長子が3歳まで) 納付した扱い(年金額に影響なし)

免除を受けるには所属所への免除申出書の提出が必要。自動では免除されません。

8-5. 70歳到達後は厚生年金保険料の徴収が停止

70歳に達した日の属する月の前月までで厚生年金保険料・基礎年金拠出金・子ども・子育て拠出金の徴収は終了します(短期掛金等は引き続き徴収)。

8-6. 【豆知識】保険者算定|定時決定の特例救済制度

4月〜6月の報酬で機械的に定時決定すると実態と大きく乖離した標準報酬月額が決まってしまうケースがあります。これを是正するのが「保険者算定」と呼ばれる特例制度。共済組合(保険者)が個別事情を判断して報酬月額を決定する仕組みです。

💡 給与担当として伝えたいこと
保険者算定は所属の給与担当が報告書類で「特例該当」として申告することで適用されます。職員本人が知らないと申告漏れが起きるため、該当する可能性がある場合は必ず給与担当に相談してください。

📋 ① 算定が困難な場合(従前の標準報酬月額を継続)

該当ケース 対応
4月・5月・6月の各月とも支払基礎日数が17日未満 従前の標準報酬月額を継続
病気休職等で4〜6月の3か月間に全く報酬を受けない 従前の標準報酬月額を継続
育児休業・介護休暇等で4〜6月の3か月間に全く報酬を受けない 従前の標準報酬月額を継続

📋 ② 算定すると著しく不当な場合(特例算定)

該当ケース 対応
4〜6月のいずれかの月に、3月分以前の給料の遅配分または昇給差額を受けたとき 遅配分・差額を除いて算定
4〜6月のいずれかの月に、低額の休職給を受けたとき 休職月を除いて算定(3か月とも休職給なら従前継続)
4〜6月の報酬から算出した標準報酬月額が、過去1年間(前年7月〜当年6月)の月平均報酬から算出した標準報酬月額と2等級以上の差があり、その差が業務の性質上例年発生することが見込まれるとき 申立等により過去1年間の月平均報酬月額で算定

🌟 最も使える知識|「年間平均」による保険者算定

📌 こんな職員が対象
「自分の部署は毎年3〜5月に決算事務・人事異動の事務集中で残業が多発する」といったケース。例年同じ時期に残業が多発するなら、4〜6月の報酬で機械的に決定される標準報酬月額より、過去1年の月平均で算定した方が実態に近いと認められれば、保険者算定の対象になります。

  • 条件1: 4〜6月の報酬で算出した標準報酬月額が、過去1年間の月平均報酬月額で算出したものと2等級以上高い
  • 条件2: その差が業務の性質上、例年発生することが見込まれること
  • 条件3: 組合員からの申立書の提出(実質的には所属所が共済組合に申告)
  • ポイント!:例年発生する場合のみが対象。突発的な業務は該当しない。

📋 ③ 産前産後休業の保険者算定

4月〜6月の間に産前産後休業を取得した場合、その期間の報酬は通常より低くなります。この場合:

  • 4〜6月の報酬月平均額(17日未満の月を除く)から算出した標準報酬等級が、
  • 産前産後休業開始月以前の直近12か月の標準報酬月額の平均から算出した等級を2等級以上下回るとき、
  • 組合員の申出により、12か月平均額を報酬月額として算定可能

📋 ④ 随時改定の保険者算定(年間平均額による算定)

随時改定の対象になった場合でも、3か月の報酬平均から算出した標準報酬月額(A)と、年間ベース(変動月以降3か月の固定的給与平均+変動月前9か月+以降3か月の非固定的給与平均)から算出した標準報酬月額(B)に2等級以上の差があり、それが業務性質上例年発生する場合は、組合員の同意により年間平均で保険者算定を行えます(平成30年10月施行)。

📝 まとめ
保険者算定は「機械的な定時決定・随時改定で実態と乖離する」職員を救済する制度です。
4〜6月に異常に残業が多かった、特殊な事務集中時期があった、産休直前で報酬が下がった……このような事情があれば、給与担当に相談すれば適切な対応をしてもらえます。知らないと損をする制度なので、本記事をきっかけに覚えておいてください。

9. よくある質問(FAQ)

Q1. 4月〜6月にボーナス(期末・勤勉手当)が支給されたら標準報酬月額に算入される?

いいえ、ボーナス(期末・勤勉手当)は標準報酬月額の算定対象外です。年3回以下の支給は「期末手当等」として別計算(標準期末手当等の額×掛金率)になります。

Q2. 昇給があったら必ず随時改定になる?

いいえ。昇給後3か月間の報酬平均額の等級と従前等級に2等級以上の差がなければ随時改定はありません。通常の定期昇給(4号給)程度では、残業が特別多くなる等の要素がなければ、ほとんど随時改定の対象になりません。

Q3. 標準報酬月額が高いほど将来の年金額も増える?

はい。厚生年金の支給額は標準報酬月額の累計額に比例します。掛金が高い=将来もらえる年金が多い、という関係です。短期的には負担増ですが、長期的には還元されます。

Q4. 自分の標準報酬月額を確認する方法は?

給与明細に記載されていることが多いです。もしくは、給与明細控除欄に記載される「短期掛金」「厚生年金保険料」を掛金率で逆算して求めることができますが、所属の給与担当に問い合わせるのが確実です。

Q5. 独身で扶養手当・住居手当が一切ないと社会保険料は安くなる?

はい。固定的給与(扶養手当・住居手当・地域手当等)が小さければ、その分標準報酬月額も低くなり、掛金額も少なくなります。ただし、年金額もその分少なくなる点には留意が必要です。

10. まとめ

📝 重要ポイント

  • 共済掛金は標準報酬月額×掛金率で計算される
  • 標準報酬月額は4月・5月・6月の報酬平均から決まる(定時決定)
  • 定時決定後の標準報酬月額は9月から翌年8月まで1年間適用
  • 固定的給与に変動があり2等級以上の差が生じたら随時改定で改定
  • 令和8年度の本人実質負担率は合計約12%(40歳未満)/約12.4%(40〜64歳)
  • 3歳未満の子を養育する場合は養育期間標準報酬月額特例の申出を忘れずに
  • 産休・育休中は掛金が完全免除(要申出)
💡 給与担当からのメッセージ
社会保険料は給与から天引きされるため意識しにくいですが、給料明細の「短期掛金」「厚生年金保険料」を一度確認してみてください。「自分はこれだけの保険料を払っている代わりに、医療費の付加給付・傷病手当金・厚生年金(2階)・退職等年金(3階)の手厚い保障を受けている」と理解できます。この記事が、皆さんの給与制度理解に役立てば幸いです。

※本記事は一部の市町村職員組合の資料を参考にしています。掛金率や運用は各共済組合・自治体により若干異なる場合があります。最新の正確な情報は所属の共済組合事務担当窓口にご確認ください。

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ダッチ
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公務員ブロガー
市役所15年勤務のうち給与厚生担当を5年経験。リベ大で日々マネーリテラシーを研鑽しています。現役の地方公務員・国家公務員、これから公務員を目指す皆さんに、お金・キャリア・制度に関する正しい情報をお届けすることをモットーにしています。
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