福利厚生

公務員の共済貯金とは?利率・デメリット・「ずるい」と言われる理由を給与担当が解説【2026年】

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公務員の福利厚生のなかでも、「銀行よりずっと高い利率がつく」と密かに人気なのが共済貯金です。ネットで「ずるい」と言われることもあるこの制度、実際の利率はどれくらいで、どんなデメリットがあるのか——現役の市役所給与担当として、メリットも注意点も正直にお伝えします。

記事内の積立シミュレーション(計算ツール)を使えば、あなたが毎月積み立てた場合の将来の残高や、銀行に預けた場合との差もその場で試算できます。

✅ この記事でわかること
  • 共済貯金とは何か・誰が使えるのか
  • 利率の相場(年0.5〜1.5%程度)と、銀行とどれくらい違うのか
  • メリットと、見落としがちなデメリット(ペイオフ対象外など)
  • 「ずるい」と言われる理由
  • NISA・iDeCoとの賢い使い分け(守るお金と増やすお金)

共済貯金とは?給与天引きで積み立てる公務員の制度

共済貯金とは、地方公務員共済組合や国家公務員共済組合などが、組合員(=公務員)向けに行っている貯金事業です。毎月の給与やボーナスから天引きでお金を積み立て、組合がそれをまとめて国債などで運用し、組合員に利息を還元します。

最大の特徴は、銀行預金よりはるかに高い利率がつくこと。そして給与天引きなので、「先取り貯蓄」として自動的にお金が貯まっていく点です。多くの組合では、公務員(組合員)であれば原則だれでも申し込めます。

💡 共済貯金の基本イメージ
毎月の給料から天引き(例:2万円)+ ボーナスで上乗せ → 共済組合がまとめて運用 → 銀行より高い利息が半年ごとにつく → 気づけばまとまった額に。

共済貯金の利率は高い?銀行との比較【年0.5〜1.5%が目安】

共済貯金の利率は組合によって異なりますが、おおむね年0.5〜1.5%程度が目安です。組合によっては1.5%を超えるところもあります。一方、メガバンクの普通預金は年0.1〜0.2%前後(2026年時点)。同じ「ほぼノーリスクの貯金」でありながら、共済貯金は数倍〜10倍の利率になることも珍しくありません。

預け先利率(年・目安)複利
共済貯金0.5〜1.5%程度半年複利が一般的
メガバンク 普通預金0.1〜0.2%前後
ネット銀行 普通預金0.2〜0.4%前後
メガバンク 定期預金0.2〜0.4%前後
※ 2026年時点のおおよその目安。共済貯金の利率は組合・年度で変動します。

さらに共済貯金は半年複利(半年ごとに利息が元本に組み入れられ、その合計にまた利息がつく)が一般的です。長く積み立てるほど、この複利の効果がじわじわ効いてきます。

⚠️ 利率は「変動」します
共済貯金の利率は固定ではなく、運用環境に応じて毎年度見直されます。過去に高かった組合でも、今後下がる可能性はあります。最新の利率は、必ずお勤め先の共済組合の窓口(職場の担当課)でご確認ください。

【計算ツール】共済貯金 積立シミュレーション

毎月の積立額・利率・年数を入れると、将来の元利合計と、同じ額を銀行に預けた場合との利息の差を試算できます。数字を入れ替えて、あなたのプランで試してみてください。

公務員の共済貯金を、毎月の積立額・ボーナス積立・利率・年数から積み立てた場合の元利合計を半年複利で試算するツール。銀行預金との利息差も比較します。

共済貯金 積立シミュレーション

毎月の積立・利率・年数から、将来の元利合計を半年複利で試算します

半年複利の概算です。各半年に「毎月の積立×6+ボーナス積立」を加えて半年分の利息(利率÷2)を付けて計算しています。実際は積立の時期や利息計算方法が組合により異なるため、目安としてご利用ください。
※ 共済貯金の利率は組合・年度で変動します。お勤め先の共済組合の最新の利率でご確認ください。税金(利子に約20.315%の源泉分離課税)は考慮していません。

共済貯金の5つのメリット

① 銀行よりはるかに高い利率

なんといっても最大の魅力。同じ「元本割れリスクのほぼない貯金」で、銀行の数倍〜10倍の利息がつくのは大きな差です。

② 給与天引きだから「先取り貯蓄」で貯まる

お金は「余ったら貯める」ではなかなか貯まりません。共済貯金は給料が振り込まれる前に天引きされるので、意志の力に頼らず自動的に貯蓄できます。これは利率以上に大きなメリットです。

③ 半年複利でふくらむ

利息が元本に組み入れられ、その合計にまた利息がつく複利効果。長期で積み立てるほど効いてきます。

④ 手間がかからない

一度申し込めば、あとは自動。証券口座のように銘柄を選んだり値動きを気にしたりする必要もありません。

⑤ 安全性が高い

多くの組合は、信用格付けの高い国債や地方債などで堅実に運用しており、価格が暴落して大きく元本割れするリスクは極めて低く抑えられています。

共済貯金のデメリット・注意点【ここが大事】

高利率で安全と聞くと「いいことだらけ」に思えますが、正直にお伝えしておきたい注意点もあります。

① ペイオフ(預金保険)の対象外

これが最も誤解されやすい点です。共済貯金は銀行の「預金」ではなく、共済組合への預け金。そのため、銀行が破綻しても1人1,000万円までを保護する預金保険制度(ペイオフ)の対象外です。組合は組合名義でまとめて運用しているため、銀行から見れば「組合が1人の預金者」という扱いになり、組合員一人ひとりにはペイオフが適用されません。

現役給与担当ダッチ
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とはいえ、共済組合が破綻するなんてことは、現実にはほぼありません。制度上の注意点として頭の片隅に置いておけば十分で、過度に心配しなくて大丈夫だと、給与担当としては思っています。

② 制度上は「元本保証」ではない

運用先の債券は高格付けのものに限定するなどリスク回避に努めていますが、万一その発行体が破綻すれば債券の価値はゼロになり得ます。つまり厳密には元本が保証されているわけではありません。実際のリスクは極めて低いものの、「銀行預金と完全に同じ安全性」ではない、と理解しておきましょう。

③ 預入限度額がある

多くの組合で、元利合計3,000万円などの預入限度額が設定されています。これを超えると、原則として超過分の新規積立は停止されます。

現役給与担当ダッチ
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ちなみに私が所属している共済組合では、預入限度額はとくに設けられていません。上限の有無や金額は組合によってかなり違うので、ご自身の組合で一度確認してみてくださいね。

④ 引き出しにルールがある

銀行のようにいつでもATMで、とはいきません。払い戻しは組合の規定に沿った手続き・タイミングで行います。「すぐ全額おろせる」前提では考えないほうが安全です。

⑤ 退職後の扱いは事前に確認を

共済貯金は組合員であることが前提ですが、退職してすぐ使えなくなるわけではありません。退職後に任意継続組合員でいる間は、共済貯金もあわせて継続できる組合が多いです。ただし任意継続には期間の上限があり、いずれは払い戻しとなります。退職前に、ご自身の組合での取り扱いを確認しておきましょう。

⑥ インフレには弱い

物価上昇率(インフレ率)が利率を上回ると、額面は増えても実質的な購買力は目減りします。これは銀行預金を含む「貯金」全般の宿命で、共済貯金だけの弱点ではありませんが、お金をすべて貯金に置くことのリスクとして頭に入れておきましょう。

🚫 だから「全財産を共済貯金に」はNG
共済貯金は「守りの生活防衛資金」の置き場として最適です。一方で、増やすことを目的としたお金は、後述のNISAなどで運用するのが基本。共済貯金とNISAは「敵」ではなく、役割の違う両輪です。

共済貯金が「ずるい」と言われる理由

共済貯金がネットで「ずるい」「公務員の特権」と言われるのは、民間にはなかなかない高利率を、ほぼノーリスクで受けられるからです。では、なぜそんな高い利率を維持できるのでしょうか。

理由は、共済組合が組合員のお金をまとめて低コストで運用でき、かつ営利を目的としていないためです。銀行のように預金を集めるための広告費や店舗コスト、株主への配当が乗らない分を、利率として組合員に還元できるイメージです。

とはいえ、その原資は組合員自身が積み立てた掛金。「タダで得をしている」わけではありません。公務員(組合員)に与えられた福利厚生のひとつとして、使える人はしっかり活用したい制度だと言えます。

共済貯金とNISA・iDeCoの使い分け(守るお金と増やすお金)

「共済貯金とNISA、どっちがいいの?」とよく聞かれますが、答えは「両方、目的を分けて使う」です。お金には“守るお金”と“増やすお金”があり、それぞれ置き場所が違います。

共済貯金NISA・iDeCo
役割守る(生活防衛資金)増やす(資産形成)
リスク極めて低い値動きあり
期待リターン年0.5〜1.5%程度長期で年3〜5%程度を狙える
向いているお金生活費6か月〜1年分当面使わない余剰資金
🏆 お金の黄金ルール
① まず共済貯金で「生活防衛資金」(生活費の6か月〜1年分)を確保 → ② それ以上の余剰資金をNISA・iDeCoで運用。この順番が、公務員のお金づくりの土台です。守りが固まっているからこそ、増やすお金で多少の値動きがあっても落ち着いていられます。

NISAを始めるなら、手数料が安く公務員にも人気のネット証券(SBI証券・楽天証券)が定番です。当ブログでは、証券・カード・銀行をセットで使う「SBIコンボ」「楽天コンボ」のどちらが向いているかの比較や、口座開設の手順を画像つきで解説しています。

共済貯金のよくある質問(FAQ)

Q. 共済貯金と財形貯蓄、どちらがいい?

A. 利率の高さだけなら共済貯金が有利なことが多いです。ただし財形(とくに財形住宅・年金)は一定額まで利子が非課税になるメリットがあります。目的(住宅取得・年金づくりなど)がはっきりしているなら財形、汎用的な高利率貯金なら共済貯金、という使い分けが基本です。詳しくは財形貯蓄の落とし穴の記事もご覧ください。

Q. 共済貯金の利子に税金はかかる?

A. かかります。利子は「利子所得」として、銀行預金と同じく約20.315%が源泉分離課税(組合があらかじめ差し引いて支払い)されます。シミュレーション結果は税引き前の概算です。

Q. 退職したら共済貯金はどうなる?

A. 退職してすぐ払い戻し、とは限りません。退職後に任意継続組合員でいる間は、共済貯金も継続できる組合が多いです(取り扱いは組合により異なります)。任意継続の期間が終われば払い戻しとなるため、退職金とあわせて退職後の資産の置き場を考えておきましょう(公務員の退職金の記事も参考に)。

Q. 共済貯金の始め方は?

A. お勤め先の共済組合の窓口(職場の担当課)で申し込みます。毎月の積立額やボーナス時の上乗せ額を指定すれば、あとは給与天引きで自動的に積み立てられます。

まとめ|共済貯金は「守りの貯金」の最適解

共済貯金は、銀行より高い利率でほぼノーリスクの「守りの貯金」。先取り&半年複利で、無理なくまとまったお金を育てられる、公務員ならではの強力な制度です。

一方で、ペイオフ対象外・制度上は元本保証ではない・預入限度額・引き出しのルールといった注意点もあります。だからこそ、「生活防衛資金は共済貯金、増やすお金はNISA」と役割を分けるのが、公務員のお金づくりの王道です。まずは記事内のシミュレーションで、あなたの将来像を試算してみてください。

📌 この記事のポイント
  • 共済貯金の利率は年0.5〜1.5%程度・半年複利で、銀行の数倍〜10倍になることも
  • 給与天引きの「先取り貯蓄」で自動的に貯まるのが最大の強み
  • 注意点はペイオフ対象外・元本保証ではない・限度額・引き出しルール
  • 守るお金は共済貯金、増やすお金はNISAの使い分けが基本

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公務員ブロガー
市役所15年勤務のうち給与厚生担当を5年経験。リベ大で日々マネーリテラシーを研鑽しています。現役の地方公務員・国家公務員、これから公務員を目指す皆さんに、お金・キャリア・制度に関する正しい情報をお届けすることをモットーにしています。
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