給与担当として現役で勤務する筆者が、自分の給与明細を毎月公開する連載の第1回です。次回の記事で紹介する「① 生活防衛資金(共済貯金)→ ② NISA → ③ iDeCo」の3ステップ戦略を、毎月の実額で実証していく連載です。
新NISAやiDeCoによる投資方法については別記事で詳しく説明します!
📘 この記事でわかること
- 2026年4月の給与支給・控除・手取り の完全公開(30代後半・子2人扶養・3級(主任クラス))
- 共済掛金が標準月額報酬から逆算できる仕組み
- 手取り328,887円を3ステップで配分した実額
- 児童手当を「給与とは別の家族給付」として整理する見方
- 4月特有のポイント(昇格月・新年度移行・育児時短)
- 来月以降の連載予告
🔒 公開・非公開のルール(連載共通)
| 出す情報 |
伏せる情報 |
| 給料表の級・号俸/標準月額報酬 |
自治体名・所属部署 |
| 各種手当・控除の実額 |
職員番号・口座番号・氏名 |
| 年代(30代後半)・子の人数 |
子・配偶者の名前・年齢 |
| 育児時短の利用有無 |
時短時間・減額の実額 |
【結論】2026年4月の手取り
2026年4月の給与明細サマリー
給与支給合計 416,744円
控除額合計 87,857円
給与の手取り 328,887円
(別途)児童手当 + 50,000円
振込総額 378,887円
💡 「手取り」は給与支給 − 控除=328,887円
児童手当は、一般的には市区町村から別途振り込まれる家族給付で、本来は給与とは別物です。ただし公務員の場合は給与と一緒に振り込まれる運用が多いため、明細では「支給」欄に並びがちです。本連載では 「給与の手取り」と「児童手当」を分けて記載し、給与そのものの実態を見やすくします。
1. 筆者のプロフィール
| 項目 |
内容 |
| 年代 |
30代後半 |
| 家族構成 |
子ども2人扶養 |
| 給料表上の位置 |
3級(主任クラス)(行政職給料表(一)) |
| 標準月額報酬 |
380,000円 |
| 地域手当 |
4%地域 |
| 勤務形態 |
育児時短制度を利用中(本給は満額より減額) |
💡 ポイント:標準月額報酬は給与の「ものさし」
標準月額報酬は、共済組合に支払う掛金や受け取る年金額のベースになる重要な金額です。毎月の給料月額そのものではなく、4〜6月の平均額に基づいて9月から1年間適用される仕組み。共済掛金が 標準月額報酬 × 各料率 で正確に計算されることを、後ほど控除欄で見ていきます。
2. 給与支給の内訳|給与支給合計 416,744円
| 項目 |
金額 |
解説 |
| 給料(本給) |
291,176円 |
3級(主任クラス)。育児時短利用により減額あり |
| 扶養手当 |
26,000円 |
子ども2人分(1人あたり13,000円) |
| 地域手当 |
12,448円 |
4%地域 |
| 通勤手当 |
2,000円 |
自動車 |
| 時間外勤務手当 |
85,120円 |
3月の残業代(4月支給) |
| 給与支給合計 |
416,744円 |
|
各手当のポイント
- 給料(本給)291,176円:満額は 31万円台前半。育児時短利用による減額が差し引かれている(時短時間・減額実額は非公開)
- 扶養手当 26,000円:扶養手当の詳細 は子1人あたり13,000円(自治体・国により異なる)
- 地域手当 12,448円:地域手当4%地域。東京23区(20%)と比べると年収で50万円以上の差になる
- 時間外勤務手当 85,120円:4月支給は3月の残業代。3月は年度末で人事異動準備・予算執行・各種報告書作成があり残業が多い。時間外勤務手当の計算方法は別記事を参照
3. 児童手当(給与とは別の家族給付)
👶 児童手当 50,000円|給与とは別建ての家族給付
| 項目 |
内容 |
| 制度 |
児童手当(国の制度・自治体独自加算なし) |
| 金額 |
50,000円(2月・3月の2か月分まとめての支給) |
| 支給元 |
一般の方は市区町村から別途振込。公務員は給与と一緒に振込される運用が多い |
| 性質 |
給与所得ではなく家族給付(労働の対価ではない) |
⚠️ 児童手当は隔月(または偶数月)支給の自治体が多い
児童手当は毎月支給ではなく、2か月分・4か月分などをまとめて偶数月に支給する自治体が一般的です。私の場合は4月支給に 2月分+3月分の2か月分がまとめて入っているため、見かけ上の月額が大きく見えます。「毎月もらえている」わけではない点に注意。
📌 児童手当は本連載で「給与の手取り」に含めない
本連載では、給与そのものの実態をクリアに見せるため 児童手当を別計上します。「手取り」と表記する数字は、給与支給 − 控除 = 328,887円です。児童手当 50,000円は別途、子の教育費・子育て費用に充当しています。
4. 控除の内訳|控除合計 87,857円
| 項目 |
金額 |
計算根拠 |
| 所得税 |
12,220円 |
源泉徴収 |
| 住民税 |
14,000円 |
前々年度所得ベース(6月切替前) |
| 共済長期掛金 |
34,770円 |
標準月額報酬380,000円 × 9.15%(厚生年金相当) |
| 共済退職等掛金 |
2,850円 |
標準月額報酬 × 0.75% |
| 共済短期掛金 |
17,670円 |
標準月額報酬 × 4.65%(健康保険相当) |
| 共済福祉掛金 |
623円 |
標準月額報酬 × 0.164% |
| 子ども・子育て支援金 |
437円 |
標準月額報酬 × 0.115% |
| 職員互助会費・組合費 |
831円 |
任意加入 |
| 生命保険 |
4,456円 |
団体生命保険 |
| 控除額合計 |
87,857円 |
|
共済掛金は「標準月額報酬 × 料率」できれいに一致
| 掛金種別 |
料率 |
計算 |
実額 |
共済長期掛金
(厚生年金相当) |
9.15% |
380,000 × 9.15% |
34,770円 ✓ |
| 共済退職等掛金 |
0.75% |
380,000 × 0.75% |
2,850円 ✓ |
共済短期掛金
(健康保険相当) |
4.65% |
380,000 × 4.65% |
17,670円 ✓ |
| 共済福祉掛金 |
0.164% |
380,000 × 0.164% |
623円 ✓ |
| 子ども・子育て支援金 |
0.115% |
380,000 × 0.115% |
437円 ✓ |
💡 自分の明細でも逆算できる
お手元の明細で
「共済長期掛金 ÷ 0.0915」 を計算すると、自分の標準月額報酬がほぼ正確に分かります。共済短期は健康保険、共済長期は厚生年金、共済退職等は
退職金の財源です。
共済組合の社会保険制度を別記事で完全解説しています。
所得税・住民税・生命保険のポイント
- 所得税 12,220円:源泉徴収。年末調整で精算
- 住民税 14,000円:前々年度所得ベース。6月から新年度(前年度所得ベース)に切替になり大きく変動するため、要注目
- 生命保険 4,456円:団体生命保険
5. 給与の手取り 328,887円の「3ステップ配分」
次回の記事で紹介する ① 生活防衛資金(共済貯金)→ ② NISA → ③ iDeCo の3ステップに、給与の手取り 328,887円 を当てはめます(児童手当は別途)。
新NISAやiDeCoによる投資方法については別記事で詳しく説明します!
給与の手取りの内訳
| ステップ |
置き場 |
月額 |
備考 |
| ① 生活防衛資金 |
共済貯金 |
0円 |
既に生活費6か月分を確保済みのため、追加入金は停止中 |
| ② 中長期の資産形成 |
新NISA
(クレカ積立) |
100,000円 |
SBIコンボでS&P500。つみたて投資枠の上限いっぱい |
| ③ 老後資金の上乗せ |
iDeCo |
20,000円 |
2024.12 改正後の公務員上限いっぱい。全額所得控除 |
| ④ 生活費 |
銀行の普通預金 |
208,887円 |
住居費・食費・カード引落(NISA含む)等 |
| 給与の手取り 計 |
— |
328,887円 |
給与支給 − 控除 と一致 |
振込総額の構成(給与手取り+児童手当)
| 内訳 |
金額 |
| 給与の手取り |
328,887円 |
| (別途)児童手当 |
+ 50,000円 |
| 振込総額 |
378,887円 |
💡 3ステップ戦略の現在地
- ステップ① 生活防衛資金は完了済み:共済貯金で生活費6か月分を確保。これがあるから暴落時もNISAを取り崩さずに耐えられる
- ステップ② NISA は月10万円のクレカ積立:つみたて投資枠(年120万円)を完全消化。SBIコンボ・S&P500
- ステップ③ iDeCo も上限積立:2024.12 から公務員上限が月2万円に拡大、即フル活用
- NISA・iDeCo の合計で月12万円・年144万円を非課税運用に回している
- これから始める方は、まずステップ① 共済貯金で生活防衛資金(生活費6か月分)から
📌 iDeCo 月20,000円の節税効果(私の場合)
所得税率10% + 住民税10% = 20% の帯として、年24万円 × 20% = 約4.8万円の所得税・住民税が節税できます。30年継続すると累計 約145万円 の手取り増。NISA 同様、放置するだけで効果が積み上がります。
6. 2026年4月特有のポイント
① 4月は昇格月
4月は新規採用や昇格があるタイミング。昇格すると基本給が大きく上昇します(級が上がるため)。私は今回昇格ありませんでした・・・
② 4月支給の時間外手当 = 3月の残業代
公務員の時間外手当は翌月支給が一般的。4月支給の 85,120円 は3月の残業代です。3月は年度末で人事異動準備・予算執行・各種報告書作成があり残業が多くなる時期。新年度に入ってからの残業(4月分)は5月支給に反映されます。
③ 育児時短利用中
本給は本来の満額 31万円台前半 よりも減額され、実額は 291,176円(時短分の減額あり)。働き方を変えても、NISA・iDeCo の積立投資は継続可能であることを、この明細で示しています。
④ 扶養手当の改正(2026年4月実施)
2026年4月から、扶養手当の見直しが実施されました。
| 区分 |
改正前 |
改正後 |
| 子ども(1人あたり) |
11,500円 |
13,000円(+1,500円) |
| 配偶者 |
3,500円 |
廃止 |
💡 私への影響:子ども2人で +3,000円
私の場合は子ども2人扶養のため、扶養手当は 11,500円 × 2 = 23,000円 から 13,000円 × 2 = 26,000円 に増額(月+3,000円・年+36,000円)。一方、配偶者扶養手当は廃止になったため、配偶者を扶養していた職員にとっては大きな減額となります。家族構成によって有利・不利が分かれる改正です。
⑤ 通勤手当の見直し(令和8年4月実施)
人事院勧告を受け、2026年4月から通勤手当の見直しが実施されます。
| 項番 |
実施時期 |
改正内容 |
| ① |
令和8年(2026年)4月 |
自動車等使用者について、65km以上から100km以上までの区分(5km刻み)を新設(上限 66,400円) |
| ③ |
令和8年(2026年)4月 |
1か月当たり 5,000円を上限とする駐車場等の利用に対する通勤手当を新設 |
💡 私への影響:今回の見直しの直接的影響は小さい
私の通勤手当は 自動車2〜5kmで2,000円のため、今回の見直し(特に①の遠距離区分新設、③の駐車場手当)の直接的な影響は小さいです。一方、遠距離通勤者(65km超)・駐車場利用者には大きな改善。地方部や郊外勤務の職員ほど恩恵が大きい改正と言えます。
7. 支給日・更新スケジュール
| 支給日 |
内容 |
毎月 21日
(休日の場合は直前の平日) |
給与支給日 |
6月 30日
(休日の場合は直前の平日) |
期末勤勉手当(夏のボーナス) |
12月 10日
(休日の場合は直前の平日) |
期末勤勉手当(冬のボーナス) |
📩 本連載の更新スケジュール
給与支給日(毎月21日)以降、本連載は
毎月下旬に更新予定です。
給与公開カテゴリーをブックマークいただけると便利です。
8. 来月以降の連載予告
- 5月:4月は新年度開始に伴い時間外が多い
- 6月:期末勤勉手当(夏のボーナス)特集。住民税切り替え
- 9月:新しい標準月額報酬に切替(4〜6月平均ベース)。共済掛金が変動するタイミング
- 11月:年末調整の注意点を解説
- 12月:年末調整・ふるさと納税まとめ
9. まとめ
📝 2026年4月の振り返り
- 給与支給 416,744円 / 控除 87,857円 / 給与の手取り 328,887円
- (別途)児童手当 50,000円(2/3月分の一括)/ 振込総額 378,887円
- 共済掛金(長期9.15% / 退職等0.75% / 短期4.65% / 福祉0.164% / 子ども・子育て0.115%)は標準月額報酬380,000円から計算できる
- 3ステップ配分:共済貯金 0円(完了済み)/ NISA 10万円(SBIコンボ・S&P500)/ iDeCo 2万円 / 生活費 20.9万円
- NISA・iDeCo 合計で月12万円・年144万円を非課税運用に投入
- 育児時短利用中でも、積立投資は十分可能
給与担当として、「制度の正確な数字」で語れるブログが公務員界隈にほぼないのが現状です。この連載が、同じ階層・同じ家族構成の公務員、これから昇進する若手、転職を検討中の民間の方の参考になれば嬉しいです。
次回は2026年5月分を5月下旬に公開予定です。
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市役所15年勤務のうち給与厚生担当を5年経験。リベ大で日々マネーリテラシーを研鑽しています。現役の地方公務員・国家公務員、これから公務員を目指す皆さんに、お金・キャリア・制度に関する正しい情報をお届けすることをモットーにしています。