【混同NG】公務員の「給料」と「給与」の違いとは?給与担当が図解でわかりやすく解説
「給料」と「給与」の違いとは?一言で説明
よく混同されますが、給与のほうが広い概念で、給料はその一部に過ぎません。
この違いは、公務員だけでなく民間企業でも同じです。しかし、公務員は給与明細に「俸給」「給料月額」「諸手当」などの独特の用語が多く使われるため、特に新規採用職員が混乱しがちです。
給料・給与・報酬・賃金の違いを整理
| 用語 | 意味 | 公務員での呼称 |
|---|---|---|
| 給料 | 基本給のみ。手当は含まない | 俸給(国家公務員)/給料月額(地方公務員) |
| 給与 | 給料+諸手当の総支給額 | 給与総額/支給額合計 |
| 報酬 | 労働の対価全般(議員報酬等も含む) | 特別職の支給で使われる |
| 賃金 | 労働基準法上の用語。労働の対価すべて | 公務員ではほぼ使わない |
| 年収 | 給与総額 × 12ヶ月 + 期末・勤勉手当 | 同じ |
| 手取り | 給与総額 − 税・社会保険料 | 実支給額/差引支給額 |
公務員の「給与明細」の構成
公務員の給与明細は、大きく「支給」「控除」「差引支給額」の3ブロックで構成されています。一部を抜粋して説明します。
① 支給の部(給与総額 = 給料 + 諸手当)
| 俸給/給料月額 | 給料にあたる部分。職務の級と号級で決定 |
|---|---|
| 地域手当 | 勤務地の物価水準に応じた加算 |
| 扶養手当 | 子や親などを扶養する場合の加算 |
| 住居手当 | 賃貸住宅居住者への家賃補助 |
| 通勤手当 | 交通機関利用・自動車等通勤に応じた支給 |
| 時間外勤務手当・休日勤務手当 | 残業・休日勤務への加算 |
| 管理職手当 | 管理職への加算 |
| 給与総額(=給与) | 上記すべての合計 |
② 控除の部
| 所得税 | 源泉徴収。給与総額・扶養人数等から計算 |
|---|---|
| 住民税 | 前年所得に応じた特別徴収 |
| 共済組合(短期) | 民間の健康保険料に相当 |
| 共済組合(長期) | 民間の厚生年金保険料に相当 |
| 介護保険料 | 40歳以上で控除 |
| 互助会費・組合費 | 福利厚生団体への拠出 |
③ 差引支給額(手取り)
銀行口座に実際に振り込まれるのはこの金額です。公務員の場合、一般的に給与総額の75〜80%程度が手取りになります。
具体例:初任給の給与明細を分解する
大卒・一般行政職(1級25号級・東京都特別区勤務)の例:
| 項目 | 金額 | 区分 |
|---|---|---|
| 給料 | 220,000円 | 給料 |
| 地域手当(20%) | 44,000円 | 手当 |
| 住居手当 | 28,000円 | 手当 |
| 通勤手当 | 10,000円 | 手当 |
| 給与総額(=給与) | 302,000円 | 支給合計 |
| 控除(税・社会保険料) | ▲64,000円 | 控除 |
| 手取り | 238,000円 | 差引 |
「初任給22万円」とある場合、これは給料のみの金額であることが多いです。実際の給与総額(支給合計)は30万円前後になるため、求人票の数字=手取りではない場合があることに注意してください。逆に、手当込みの「給与」として表示されている場合、手取りはさらに少なくなります。
給料と給与を使い分ける実用シーン
① 昇給の話をするとき
「給料が上がった」と言う場合、通常は基本給が上がったことを指します。昇給は号級が上がることによる給料の増加なので、用語としては「給料」が正確です。
② 住宅ローン審査のとき
銀行の住宅ローン審査では「年収」=「年間の給与総額(+ボーナス)」で判断されます。給料だけで申告すると実力より少なく評価されます。源泉徴収票の「支払金額」欄を提出するのが正解です。
③ 退職手当の計算のとき
退職手当の基本額は「給料月額× 勤続年数に応じた支給率+調整額」で計算されます。地域手当や扶養手当は基本額の計算には含まれません。退職手当計算では「給料」が基準になります。
④ ボーナス(期末・勤勉手当)の計算のとき
ボーナスの基礎額には給料+地域手当+扶養手当+役職段階別加算額が含まれます。単なる「給料」ではなく、一部の手当を含めた金額が基準になる点に注意が必要です。
新規採用職員が最初に理解すべき3つのポイント
- 給与明細の「俸給」=給料、「支給合計」=給与
- 給料が上がらなくても、手当が増えれば給与は増える(扶養手当・住居手当など)
- 手取り ≠ 給与 ≠ 給料。それぞれ別物として理解する
給与担当の窓口で実際に多いのが「ローンの審査に出す年収はどれ?」という質問です。審査で聞かれる“年収”はほぼ給与ベース(総支給額)。源泉徴収票の「支払金額」を見れば一発です。一方、退職金の計算は給料(基本給)ベース。ここを混同すると見積もりが大きくズレるので注意してくださいね。
なお、給与から社会保険料・税金が引かれた残りが「手取り」です。控除の仕組みは 社会保険料・共済掛金の記事 でくわしく解説しています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 「年収500万円」と言った場合、給料と給与どちらですか?
A. 一般的には給与総額の年間合計(ボーナス含む)を指します。つまり「年収」は給料ではなく給与ベースです。ただし、税務上は総支給額であり、手取りではないので注意。
Q2. 公務員の「俸給表」と「給料表」は違うものですか?
A. ほぼ同じ意味で使われます。国家公務員は「俸給表」、地方公務員は「給料表」という呼称が一般的です。いずれも職務の級と号級で基本給が決まる表のことです。
Q3. 給料が安くても、手当で年収は上がりますか?
A. はい。特に地域手当(最大20%)、住居手当、扶養手当はインパクトが大きく、手当の有無で年収が100万円単位で変わることもあります。また部署によっては、時間外勤務(残業)が非常に多く、「時間外勤務手当」と「給料」が同額くらい支給されることも少なくありません。
Q4. 税金は給料と給与のどちらにかかりますか?
A. 基本的に給与(支給合計)が課税対象ですが、通勤手当の一部などは非課税です。社会保険料も給与ベースで計算されます。
まとめ
① 給料(=俸給):基本給だけを指す
② 給与:給料+手当の総支給額
③ 手取り:給与 − 控除(税・社会保険料・その他天引き)
④ 退職金は給料ベース/ボーナスは給料+一部手当ベース/住宅ローン審査は給与ベース
⑤ 給与明細は「支給/控除/差引」の3ブロックで読み解く
この基礎を押さえておけば、人事異動・昇給・ローン審査・退職金試算など、人生のあらゆるお金の場面で正確に判断できるようになります。今月の給与明細を手元に出して、どれが給料でどれが手当か、一度確認してみてください。
👉 実際の始め方は 公務員のSBIコンボ投資術(NISA・資産形成の始め方) でくわしく解説しています。
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