【令和8年度】公務員の時間外勤務手当・休日勤務手当の計算方法|市役所給与担当が完全解説
「残業したけど、時間外勤務手当っていくらもらえるの?」「休日に出勤したら、手当の計算はどうなるの?」
公務員の給与明細を見ても、時間外勤務手当や休日勤務手当がどのように計算されているのか分からないという声をよく聞きます。
この記事では、地方公務員の時間外勤務手当と休日勤務手当について、計算方法・支給割合・具体的な計算例まで徹底的に解説します。
給与担当の方はもちろん、自分の残業代がいくらになるのか知りたい方にも役立つ内容です。
この記事で学べること
- 時間外勤務手当と休日勤務手当の違いとそれぞれの性格について学べます
- 勤務1時間当たりの給与額(単価)の計算方法について学べます
- 時間外勤務手当の支給割合(125/100、150/100など)の使い分けが分かります
- 月60時間超の時間外勤務における割増率の引き上げについて学べます
- 休日勤務手当の支給要件と支給対象日の考え方が分かります
- 実際の給与条件を使った具体的な計算例で実務に活かせます
時間外勤務手当と休日勤務手当の基本知識
時間外勤務手当とは
時間外勤務手当は、正規の勤務時間を超えて勤務することを命ぜられた職員に対して支給される手当です(給与条例第18条)。
民間企業でいう「残業代」に相当するもので、公務員の場合は条例と規則によって計算方法が明確に定められています。
具体的には、次の2つのケースで支給されます。
ケース1:正規の勤務時間を超えて勤務した場合
平日の終業時刻後や始業時刻前に勤務を命ぜられた場合に支給されます。週休日における勤務も含まれます。
ケース2:週休日の振替等により、1週間の法定労働時間を超えた場合
週休日の振替により、あらかじめ割り振られた1週間の勤務時間を超えて勤務した場合に支給されます。
休日勤務手当とは
休日勤務手当は、祝日法による休日および年末年始の休日において、正規の勤務時間中に勤務を命ぜられて勤務した職員に支給される手当です(給与条例第19条)。
休日には、特に勤務を命ぜられた者を除き、正規の勤務時間においても勤務することを要しないとされています。そのため、休日に出勤した職員と休日のため勤務しなかった職員との間に給与上の不均衡が生じることから、この不均衡を是正するために設けられた手当です。
時間外勤務手当と休日勤務手当の違い
| 比較項目 | 時間外勤務手当 | 休日勤務手当 |
|---|---|---|
| 対象となる日 | 勤務日・週休日 | 祝日・年末年始の休日 |
| 対象となる時間 | 正規の勤務時間外 | 正規の勤務時間内 |
| 基本の支給割合 | 125/100〜175/100 | 135/100 |
| 根拠条文 | 給与条例第18条 | 給与条例第19条 |
| 管理職員への支給 | 支給されない | 支給されない |
| 深夜加算 | 22:00〜5:00は25/100を加算 | 正規の勤務時間外のため加算されない(時間外勤務手当となる) |
注意:祝日や年末年始の休日が週休日(土曜日)と重なった場合は、「週休日」として扱われるため、休日勤務手当ではなく時間外勤務手当の支給対象となります。

「休日で正規の勤務時間」内に支給されるのは休日勤務手当。それ以外は時間外勤務手当という整理です。
ちなみに、私の市役所における正規の勤務時間は8:30〜17:15です。
計算の基礎となる「勤務1時間当たりの給与額」
時間外勤務手当と休日勤務手当の計算には、まず「勤務1時間当たりの給与額」を算出する必要があります。これが計算の出発点となる重要な数値です。
勤務1時間当たりの給与額の計算式
勤務1時間当たりの給与額 =
(給料の月額 + 初任給調整手当の月額 + 給料の月額に対する地域手当の月額)× 12
÷
38.75(1週間当たりの勤務時間数)× 52(年週数)- 給与規則第46条第2項で定める時間

分母を具体的に見てみると
38.75(1週間当たりの勤務時間数)× 52(年週数)- 給与規則第46条第2項で定める時間
給与規則第46条第2項で定める時間 →「休日×7時間45分」
令和7年度:休日19日
→(38,75×52)-(19×7.75)= 1867.75時間
令和8年度:休日20日
→(38,75×52)-(20×7.75)= 1860時間
計算式の各項目の説明
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 給料の月額 | 給料の調整額を含む基本給の月額 |
| 初任給調整手当 | 医師等に支給される調整手当の月額 |
| 地域手当の月額 | 給料の月額に対する地域手当の支給割合をかけた額 |
| 38.75時間 | 1週間当たりの正規の勤務時間数 |
| 52週 | 1年間の週数 |
計算の具体例
計算条件:給料月額305,700円、地域手当2%の場合
(305,700円 + 305,700円 × 2/100) × 12 ÷ {38.75 × 52 - 7.75 × 20} = 2,012円
端数処理のポイント:計算過程では端数処理を行いません。最終的な支給額の算出時に、50銭未満は切り捨て、50銭以上1円未満は1円に切り上げます。
時間外勤務手当の計算方法
基本的な計算式
時間外勤務手当 = 勤務1時間当たりの給与額 × 支給割合 × 時間外勤務時間数
支給割合の一覧(月60時間以内)
| 区分 | 通常時間 | 深夜(22:00〜5:00) |
|---|---|---|
| 勤務日 | 125/100 | 150/100 |
| 週休日 | 135/100 | 160/100 |
| 祝日・年末年始 | 135/100 | 160/100 |
月60時間超の支給割合(引き上げ後)
| 区分 | 勤務日 | 勤務日深夜 | 週休日・休日 | 深夜 |
|---|---|---|---|---|
| 60時間前 | 125/100 | 150/100 | 135/100 | 160/100 |
| 60時間超 | 150/100 | 175/100 | 150/100 | 175/100 |
休日勤務手当の計算方法
基本的な計算式
休日勤務手当 = 勤務1時間当たりの給与額 × 135/100 × 休日の正規の勤務時間中に勤務した全時間
支給対象となる休日
| 対象となる休日 | 具体例 |
|---|---|
| 国民の祝日に関する法律(祝日法)に規定する休日 | 元日、成人の日、建国記念の日、天皇誕生日、春分の日、昭和の日、憲法記念日、みどりの日、こどもの日、海の日、山の日、敬老の日、秋分の日、スポーツの日、文化の日、勤労感謝の日 |
| 年末年始の休日 | 12月29日から翌年1月3日までの日 |
| 代休日 | 上記の休日に代休日を指定されて、その休日に割り振られた勤務時間の全部を勤務した場合の代休日 |
| 国の行事の行われる日 | 市町長の指定する日 |
休日勤務手当の支給対象日の決め方
交替制等勤務職員の場合、祝日法による休日が週休日と重なった場合には、休日勤務手当の支給対象日が以下のルールで決まります。
原則:祝日法による休日の直後の勤務日が支給対象日となります。
例外1:直後の勤務日が休日等に該当し、かつ割り振られた勤務時間の全てについて時間外勤務代休時間を指定された日に当たるときは、その日の直後の勤務日が対象になります。
例外2:上記により難い特殊な事情がある場合には、市町長の承認を得て任命権者が定める日とします。
時間外勤務時間数の計算ルール
端数処理の方法
時間外勤務時間数は、月の全時間数を支給割合ごとに各別に計算します。端数処理のルールは以下のとおりです。
| 端数の範囲 | 処理方法 |
|---|---|
| 1時間未満の端数が30分以上のとき | 1時間に切り上げ |
| 1時間未満の端数が30分未満のとき | 切り捨て |
具体例:1月の時間外勤務時間数
支給割合125/100:7時間20分 → 7時間(端数が30分未満のため切捨て)
支給割合150/100:1時間50分 → 2時間(端数が30分以上のため1時間とする)
月の中途で給料月額に異動があった場合
昇格・昇給・給料表間の異動などにより、月の中途で給料月額が変わった場合は、異動日前と異動日以降に分けて、それぞれの期間ごとに支給割合別の時間数を集計し、端数処理を行って計算します。
実践的な計算例
例1:一般職員の平日残業(勤務日の時間外勤務)
計算条件:
- 給料月額:250,000円
- 地域手当:2%
- 祝日等の日数:20日
- 1月の時間外勤務:勤務日に10時間(すべて22時前の通常時間帯)
Step1:勤務1時間当たりの給与額を算出
(250,000 + 250,000 × 2/100) × 12 ÷ {38.75 × 52 − 7.75 × 20}
= 3,060,000 ÷ 1,860
= 1,645.16…円(端数処理なし)
Step2:時間外勤務手当の単価を算出
1,645.16… × 125/100 = 2,056.45…円
端数処理:50銭以上1円未満 → 2,056円
Step3:時間外勤務手当額を算出
2,056円 × 10時間 = 20,560円
例2:週休日に勤務した場合
計算条件:
- 勤務1時間当たりの給与額:2,504円(端数処理なし)
- 週休日(土曜日)に8:30〜17:15で勤務(休憩1時間、実働7時間45分)
- 全て22時前の通常時間帯
計算:
週休日の支給割合は135/100
2,504… × 135/100 = 3,380…円(単価)
端数処理後の単価 × 8時間(7時間45分 → 端数処理で8時間)
= 約27,043円
例3:祝日に勤務した場合(休日勤務手当)
計算条件:
- 勤務1時間当たりの給与額:2,504円(端数処理なし)
- 祝日に正規の勤務時間(8:30〜17:15)で勤務(実働7時間45分)
正規の勤務時間内(休日勤務手当):
2,504… × 135/100 × 7.75時間
= 約26,199円
さらに正規の勤務時間を超えて勤務した場合(時間外勤務手当を追加):
例えば17:15〜20:00に3時間の時間外勤務をした場合
2,504… × 135/100 × 3時間 = 約10,142円
合計:約26,199円 + 約10,142円 = 約36,341円
支給に関する注意点と特殊なケース
管理職員への取扱い
管理・監督の地位にある職員のうち規則で指定する職にある者(管理職員)には、管理職手当が支給されるため、時間外勤務手当は支給されません(給与条例第24条の2第2項)。同様に、休日勤務手当も支給されません。
ただし、管理職手当を受けている職員が、管理職手当の支給対象とされていない職を兼ねた場合の兼ねた職に係る時間外勤務についても、時間外勤務手当は支給できません。
出張中の時間外勤務
公務により旅行中(赴任を含む)の職員については、正規の勤務時間を勤務したものとみなされ、時間外勤務手当は原則として支給されません。ただし、以下の要件をすべて満たす場合に限り支給されます。
- 旅行目的地において正規の勤務時間を超えて勤務すべきことをあらかじめ命ぜられた
- 現に勤務した
- その勤務したことについて明確に証明できる
始業時刻前の時間外勤務の取扱い
前日から引き続きその日の正規の勤務時間が始まる前までに時間外勤務をした場合の取扱いは以下のとおりです。
| 時間帯 | 取扱い |
|---|---|
| 前日の終業時刻後〜0:00 | 前日の時間外勤務として取り扱う |
| 0:00〜当日の始業時刻前 | 当日の時間外勤務として取り扱う |
なお、当日に昇給した場合は、当日に係る分については昇給後の月額を基礎として手当額を算出します。
祝日と日曜日が重なった場合
祝日が日曜日に当たるときは、祝日法第3条の規定により、その日後においてその日に最も近い「国民の祝日」でない日を休日とする(いわゆる振替休日)ことになっています。したがって、休日勤務手当の支給対象日は振替休日である月曜日となります。
祝日と土曜日(週休日)が重なった場合
祝日と土曜日が重なった場合は、「週休日」として取り扱います。したがって、この日に勤務を命ぜられて勤務した場合には、正規の勤務時間を超える勤務として時間外勤務手当が支給されます(休日勤務手当ではありません)。
ただし、祝日と土曜日が重なった場合に、予め週休日の振替を行ったにもかかわらず当該祝日に勤務を命ぜられて勤務した場合には、休日勤務手当の支給対象となりますので注意が必要です。
よくある質問(FAQ)
Q1:短時間勤務をしている場合、支給割合は変わりますか?
はい、短時間勤務をしている職員については、1日の勤務時間が7時間45分に達するまでの時間の支給割合は100/100とされます(給与条例第18条第3項)。7時間45分を超えた部分から通常の125/100等の支給割合が適用されます。
Q2:休日に正規の勤務時間を超えて勤務した場合、手当はどうなりますか?
休日勤務手当の支給される日に、正規の勤務時間を超えて勤務することを命ぜられ現に勤務した場合は、正規の勤務時間内は休日勤務手当、正規の勤務時間を超えた部分は時間外勤務手当の支給対象となります。
Q3:時間外勤務手当の支給時期はいつですか?
原則として、一の給与期間の分を次の給与期間の給料の支給定日に支給します。つまり、ある月に行った時間外勤務の手当は、翌月の給料日に支給されるのが一般的です。
Q4:月60時間を超える時間外勤務の「60時間」にはどの時間が含まれますか?
正規の勤務時間を超えて勤務した時間と、週休日の振替等により割振り変更前の正規の勤務時間を超えて勤務した時間の合計が対象です。なお、60時間を超えた全時間には、短時間勤務職員等の7時間45分までの時間外勤務時間を含みます。
Q5:週休日の振替等に係る時間外勤務手当とは何ですか?
週休日の振替等により、あらかじめ割り振られた1週間の勤務時間を超えて勤務した場合に支給される手当です。支給割合は25/100(60時間超の場合は50/100)で、通常の時間外勤務手当とは計算方法が異なります。算式は「勤務1時間当たりの給与額 × 25/100(支給割合)× 時間外勤務時間数」です。
Q6:休日勤務手当が支給される日に休暇を取った場合はどうなりますか?
交替制等勤務職員が、祝日法による休日が週休日と重なったため当該休日の翌日を休日勤務手当の支給される日としていたところ、その日に休暇等により勤務しなかった場合には、休暇等により勤務しなかった日の直後の勤務日を休日勤務手当の支給される日とすることはできません。
Q7:休日を含んで2日にわたる勤務をした場合はどうなりますか?
1回の勤務が2日にわたり、そのうちの1日が休日に当たる場合は、その休日における正規の勤務時間中の勤務に対してのみ、休日勤務手当が支給されます。その他の時間は時間外勤務手当となります。
Q8:時間外勤務手当の端数処理はどのように行いますか?
時間外勤務1時間当たりの支給額に50銭未満の端数が生じたときは切り捨て、50銭以上1円未満の端数が生じたときは1円に切り上げます。ただし、計算途中での勤務1時間当たりの給与額には端数処理を行いません。
まとめ
公務員の時間外勤務手当と休日勤務手当について、主要なポイントをまとめると以下のとおりです。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 計算の基礎 | 「勤務1時間当たりの給与額」を算出することが出発点 |
| 時間外勤務手当 | 勤務日125/100、週休日135/100が基本。深夜は25/100加算 |
| 月60時間超 | 支給割合が引き上げ(勤務日150/100、深夜175/100) |
| 休日勤務手当 | 祝日・年末年始の正規勤務時間に対して135/100 |
| 管理職員 | 管理職手当が支給されるため、両手当とも不支給 |
| 端数処理 | 時間数は30分で切上げ/切捨て。金額は50銭を基準に処理 |
時間外勤務手当と休日勤務手当は、公務員の給与の中でも計算方法が複雑な手当の一つです。特に、月60時間超の割増率の引き上げや、週休日の振替等に係る手当の計算は、ケースによって取扱いが異なるため注意が必要です。
自分の手当額を正確に把握したい場合は、まず「勤務1時間当たりの給与額」を計算し、そこに該当する支給割合と時間数をかけることで、おおよその金額を算出することができます。
各自治体によって細部が異なる場合がありますので、正確な金額については所属の給与担当者にご確認ください。
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